滑らかな円錐面(テーパー面)への複雑な形状切削。A軸同時制御による高精度な金型部品加工。
【A軸・複合加工】樹脂チューブ成形金型(電線被膜用)先端部品
※電線被膜などの樹脂チューブ成形金型の先端部品。円錐状の先端に、A軸加工による精密なスパイラル(または角度付き)溝が施されています。
この部品は、電線などに樹脂の被膜を均一に押し出すために使われる「成形金型」の先端部分です。樹脂の流れを最適化するため、先端の円錐部分には非常に滑らかで精密な形状が求められます。
今回の加工における最大の技術的ポイントは、「A軸(回転軸)を活用した円錐面への形状切削」にあります。
1. 複雑な3D形状への対応(A軸加工)
単純な旋盤加工(回転させて削る)だけでは、このような角度のついた溝や複雑な曲面形状を作り出すことはできません。
弊社では、マシニングセンタや複合加工機を用い、ワーク(加工品)をA軸で回転・傾斜させながら、工具を3次元的に動かして切削を行いました。これにより、図面指示通りの滑らかで複雑な円錐形状をワンチャック(一度の固定)で高精度に仕上げています。
2. 均一で滑らかな仕上げ面
これは樹脂(溶けたプラスチック)の通り道となる金型部品です。そのため、加工面にわずかな段差や傷、カッターの目(切削痕)が残っていると、樹脂の流れが乱れ、製品(電線被膜)の品質不良に直結します。
A軸を同時制御することで、工具の角度を常にワークの曲面に対して最適に保ち、滑らかで均一な仕上げ面を実現しています。
加工仕様
| 項目 | 内容 |
| 材質 | 金型用鋼(SKDなど) |
| 加工内容 | A軸による形状切削、円錐加工、複合加工 |
| 用途 | 樹脂チューブ成形金型、電線被膜押出金型 部品 |
| 特徴 | A軸(回転軸)を用いた円錐面への同時制御加工 |
(お問い合わせ)
関東精密では、旋盤加工とマシニング加工を組み合わせた「複合加工」や、A軸・B軸(傾斜・回転軸)を駆使した「4軸・5軸加工」を得意としています。
「こうした複雑な曲面は削れるか?」「図面はあるが、どう作ればいいか分からない」
そのような高難易度な精密部品も、ぜひ一度弊社にご相談ください。最適な加工方法をご提案します。












