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リバースエンジニアリングとは? 図面紛失・廃盤部品の復元・修理を実現する「現物再生」技術

リバースエンジニアリング
2025.05.16

「古い機械の部品が壊れたが、メーカーは既に廃業している」
「重要部品の図面を紛失してしまい、予備が作れず困っている」
「海外製の設備を導入したが、保守部品の納期がかかりすぎる」

製造現場において、「図面がない」という問題は、生産ラインの停止にも直結しかねない深刻な事態です。しかし、諦める必要はありません。

「リバースエンジニアリング」は、現物(実物)さえあれば、その形状、材質、時には設計思想までを読み解き、3Dデータや2D図面を復元し、新品同等、あるいはそれ以上の部品を製作する技術です。

この記事では、図面紛失や部品の廃盤でお困りの方へ、リバースエンジニアリングの具体的なメリット、流れ、そして成功させるための注意点を詳しく解説します。

 

 

◆ リバースエンジニアリングが解決する3つの典型的な悩み

リバースエンジニアリングは、単に「モノを真似る」技術ではありません。失われた技術情報を「現代の技術で再構築」するソリューションです。特に以下のようなケースで絶大な力を発揮します。

 

【図面紛失・廃盤】古い設備の延命・保守

長年稼働している生産設備のギア、シャフト、特殊なブラケットなど。メーカーの保守期間が終了したり、図面が散逸したりしても、現物さえあれば復元可能です。

【コスト・納期改善】海外製品の国産化

海外製の部品は、調達に数ヶ月かかることも珍しくありません。現物から国内で製作可能な図面を起こすことで、大幅な納期短縮とコストダウンを実現します。

【ブラックボックスの解析】既存製品の改良

(※著作権等に十分配慮する必要はありますが)他社製品や既存の部品を測定・解析し、その設計思想を理解することで、自社製品の改良や、それに合わせた治具・周辺機器の開発に役立てることができます。

 

 

◆ なぜ「測定だけ」のリバースエンジニアリングでは不十分なのか?

リバースエンジニアリングを提供する企業は多くありますが、「3Dスキャンしてデータ化するだけ」では、多くの場合、問題は解決しません。なぜなら、部品は「使われているうちに摩耗・変形している」からです。

 

・摩耗したものをそのままコピーしても意味がない

例えば、長年使われたシャフトは、ベアリングとの接触面が摩耗して細くなっています。これをそのままスキャンして製作しても、新品のベアリングとはガタガタになってしまいます。

・重要なのは「本来あるべき姿」への復元

プロのリバースエンジニアリングとは、摩耗した部分を「設計上、本来は何ミリだったのか」と推測・復元することです。これには、機械工学の知識と豊富な加工経験が不可欠です。

 

 

◆ 関東精密の「ワンストップ・リバースエンジニアリング」

弊社が選ばれる理由は、測定・図面化・製作・検査という全工程を社内で一貫して行える体制にあります。

 

STEP 1:ヒアリング&現物測定

まず、その部品が「どのように使われ」「どんな問題が起きているか」を徹底的にヒアリングします。
その後、三次元測定機、形状測定機、表面粗さ計、硬度計などを駆使し、現物の形状だけでなく、材質の特定(成分分析 ※外部連携含む)や熱処理の有無までを調査します。

 

STEP 2:3Dモデリング&2D図面化

測定データ(点群データ)を基に、単なるトレース(なぞり)ではなく、「設計図」として通用するCADデータを作成します。この際、前述の摩耗分を補正し、「あるべき姿」を復元します。
ご要望に応じて、強度を向上させるための改良提案(CAE解析など)も可能です。

 

STEP 3:製作(マシニング、旋盤、研削など)

作成した図面に基づき、即座に製作工程に入ります。5軸マシニングセンタ、NC旋盤、研削盤など、社内の多様な設備を駆使し、いかにしてその精度を実現するか、最適な加工方法を選択します。

 

STEP 4:徹底した品質検査

完成した部品が、復元した図面通りの精度を満たしているか、再度、三次元測定機などで厳格に検査し、検査成績書と共に納品します。

 

 

◆ よくあるご質問(Q&A)

Q1. どんな材質でも復元可能ですか?

A1. 鉄、アルミ、ステンレス、銅系、樹脂(POM, MCナイロンなど)まで幅広く対応可能です。ただし、特殊な合金やゴムなどの場合、材質の完全な特定が難しく、類似の代替材料でのご提案となる場合があります。

 

Q2. 壊れてバラバラになった部品でも可能ですか?

A2. 破片が揃っており、元の形状を推測できれば可能です。まずは写真などでお気軽にご相談ください。

 

Q3. 1個からでもお願いできますか?

A3. もちろんです。弊社は多品種少量の試作・開発支援を得意としております。1点ものの復元・修理こそ、ぜひお任せください。

 

Q4. 著作権や特許権は大丈夫ですか?

A4. お客様が「自社で修理・保守」するために図面のない部品を復元することは、基本的に問題ありません。ただし、復元した部品を許可なく「販売」する目的の場合は、法的問題が発生する可能性があります。弊社では、お客様の自社使用(保守・修理)を目的としたご依頼のみをお受けしております。

 

 

◆『図面がない』を『新たな価値創造』の機会に

「図面がないから」と、貴重な生産設備の廃棄を検討したり、長いダウンタイムに甘んじたりする必要はもうありません。

リバースエンジニアリングは、単なる部品復元に留まらず、古い設備に現代の技術を組み込む「レトロフィット」の第一歩にもなり得ます。

 

関東精密は、測定・図面化・製作・検査まで一貫して対応できる「モノづくりの総合力」で、お客様の課題を解決します。図面1枚ない状態からでも、諦めずにまずは一度、私たちにご相談ください。

 

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