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ブロー成形金型の設計・製作事例:「見えない壁」を乗り越えた事例紹介

開発、設計
樹脂金型、モールド金型、プレス金型
2025.10.15

ブロー成型金型

 

◆ブロー成形における「見えない壁」とは?

「製品のこの部分、もう少し薄くならないか?」 「この樹脂の特性だと、この形状は難しいかもしれません…」

ブロー成形金型の設計・製作の現場では、お客様の理想とする製品形状と、使用する樹脂の物理的な特性との間で、このような葛藤が日常的に発生します。この、図面だけでは予測しきれない課題を【見えない壁】と呼んでいます。

この記事では、私たちがお客様と共に、この「見えない壁」をどのように乗り越え、製品化を実現していくのか、具体的な事例を交えてご紹介します。

 

◆お客様からのご相談:複雑形状のブロー成形品

今回ご相談いただいたのは、これまで付き合いのあった金型メーカーでは「対応が難しい」と断られてしまったという、複雑な形状のブロー成形品でした。

特に問題となったのが、以下の2点です。

  • ・部分的に極端な薄肉形状が求められる点

  • ・使用樹脂の流動性が低く、成形が難しい点

まさに「見えない壁」が立ちはだかる、非常に難易度の高い案件でした。

 

◆挑戦の始まり:3Dモデルと流動性解析による徹底検証

私たちはまず、お客様からいただいた製品の3Dモデルを基に、ブロー成形のシミュレーションと樹脂の流動性解析を徹底的に行いました。

・金型設計の工夫:どこで「見えない壁」を越えるか

解析結果から、やはり通常通りの金型設計では、特定の部分で樹脂がうまく流れず、肉厚が不足することが明らかになりました。

そこで私たちのチームは、長年の経験と知見から、以下の仮説を立てました。

  • 仮説1: 金型内の空気の抜け方(エアベント)を最適化すれば、樹脂の流れをコントロールできるのではないか。

  • 仮説2: 成形時の温度と圧力を微調整することで、樹脂の流動性を改善できるのではないか。

この仮説を基に、金型の細部に特殊な加工を施し、トライ&エラーを繰り返せるような構造を設計しました。

 

 

◆お客様との共創:トライ&エラーで見えた光明

金型が完成し、いよいよ試作成形(トライ)です。

当初はやはり、課題となっていた薄肉部分で成形不良が発生しました。しかし、諦めずに進めました。

  • ・金型の微調整: 設計段階で組み込んでおいた調整機構を活かし、0.05mm単位で金型を修正。

  • ・成形条件の最適化: お客様の成形現場にもご協力いただき、温度、圧力、冷却時間など、最適な条件を一つひとつ探っていく。

こうした地道な作業を繰り返す中で、徐々に製品の品質が向上。そして数十回のトライの末、ついに安定して高品質な製品を成形できる条件を見つけ出したのです。

 

◆私たちは「見えない壁」を越えるパートナーです

今回の事例は、金型メーカーの技術力だけで成功したわけではありません。製品に対するお客様の熱意と、私たちの「何とかして形にしたい」という想いが一体となったからこそ、「見えない壁」を乗り越えられたのだと確信しています。

関東精密は、ただ金型を設計・製作するだけではありません。お客様の抱える課題に真摯に向き合い、共に考え、挑戦するパートナーです。

ブロー成形に関するお困りごとがございましたら、ぜひ一度、私たちにご相談ください。

 

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