その試作品、本当に3Dプリンターで満足ですか?― 高精度・高強度を実現する「切削加工」という選択肢

「とりあえず、手軽に3Dプリンターで試作品を作ろう」製品開発のスピードが求められる今、そう考えるのは自然なことです。
しかし、その試作品、本当に求める要件を満たしているでしょうか?特に、「精度」「強度」「材質」に妥協できない場合、3Dプリンター(積層造形)では限界があり、昔ながらの「切削加工(3D加工)」こそが最適な解決策となるケースが数多く存在します。
この記事では、3Dプリンターと切削加工、それぞれのメリット・デメリットを比較し、関東精密がいかにしてお客様の厳しい要求に応える「3D加工部品」を生み出しているかをご紹介します。
3Dプリンター vs 切削加工
徹底比較どちらが良い・悪いではなく、目的によって最適な工法は異なります。
・切削加工(関東精密の得意分野) ・3Dプリンター(積層造形)
精度◎ 非常に高い (μm単位の公差に対応) △ 一般的に劣る (積層痕が残る)
強度◎ 高い (材料本来の強度を維持) △ 劣る (層と層の間が弱点になりやすい)
表面◎ 滑らか (切削痕はあるが平滑) △ 粗い (積層の段差が目立つ)
材料○ 豊富 (ABS, PC, PEEK等の量産樹脂が使用可能) △ 限定的 (専用のフィラメントや粉末が必要)
形状△ 複雑な中空構造などは苦手 ◎ 得意 (中空や一体化した複雑形状が可能)
コスト△ (材料ロスが多く、加工時間が長い) ○ (1個あたりの材料費は安い傾向)
納期○ (データと材料があれば即日加工も可能) ◎ (比較的手軽で早い)
結論:
切削加工は… 最終製品に近い精度・強度が求められる、機能性の検証を伴う試作品や、小ロット生産に最適。
3Dプリンターは… 形状の確認や、デザインの検討(モックアップ)段階の試作品に最適。
関東精密が「切削」にこだわる理由私たちが5軸マシニングセンタによる切削加工にこだわるのは、それがお客様の「本当に作りたいもの」を最も忠実に、そして確実に形にできる方法だと信じているからです。
1. 量産と同じ材料で、本番さながらの評価が可能PEEKやPC(ポリカーボネート)といった、3Dプリンターでは扱いが難しい「スーパーエンプラ」や量産品と同じグレードの樹脂材料で加工できるため、試作品の段階で強度や耐熱性といった信頼性の高い評価が行えます。
2. 金型製作で培った、滑らかな曲面仕上げ長年のブロー成形金型製作で培ったノウハウを活かし、データに忠実なことはもちろん、見た目にも美しい滑らかな曲面を削り出します。
3. 「1個」から、責任を持って作り上げる品質3Dデータをお預かりし、最適な加工プログラムを作成、そして高精度な機械で削り出す。一つひとつの工程に熟練の技術者が介在することで、安定した高品質な部品をお届けします。
その部品、切削加工ならもっと良くなるかもしれません3Dプリンターの手軽さは魅力的ですが、その部品に求められる本当の役割は何でしょうか。
もし、精度や強度、材質で少しでも妥協しているのであれば、ぜひ一度、関東精密の切削加工をご検討ください。データ一枚から、お客様の期待を超える品質でお応えします。