図面なし部品の再製作、どの工場に頼む?リバースエンジニアリング対応企業の選び方7つの基準
「図面がないから対応できません」
「材料が不明なのでお引き受けできません」
そんな返答を何度も聞いたことはありませんか?
古い機械の部品を再製作したいが、図面がない。
メーカーも廃業済み。そんなとき頼れるのがリバースエンジニアリング対応の協力工場です。
しかし…
・どんな工場に相談すればいい?
・何を基準に選べばいい?
・スキャニングだけやる会社?加工まで一貫?
この記事では、リバースエンジニアリングが必要な案件において、協力工場選びで失敗しないための7つの基準を、プロの目線から解説します。
目次
【1. リバースエンジニアリング対応工場とは?】
一般的な「加工屋さん」との違いは以下の点です:
一般加工工場 | リバース対応工場 |
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図面が前提 | 現物が前提でもOK |
材質・公差は指定必須 | 材質分析、公差推定が可能 |
設計支援は基本なし | CAD起こし含む支援あり |
測定器は最低限 | 3Dスキャナ等の画像測定器で対応 |
【2. 協力工場選定の7つの基準】
基準①:実績の有無(リバース専用ページや事例)
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実際に図面のない部品を製作した事例があるか?
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納入先業界(自動車/食品機械/医療など)に近いと尚良
・チェック方法:
→ ホームページに「リバースエンジニアリング」「図面レス対応」などの記載があるか
基準②:測定・スキャン装置の保有
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光学式3Dスキャナ、レーザースキャナ
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非接触測定器、X線材料分析器など
・理由:現物の形状を正確に読み取る装置がないと、誤差が拡大
基準③:CAD設計・データ化スキル
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現物→CADモデリングができるか(SolidWorksやFusionなど)
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適切な公差設定ができるか
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摩耗補正や非対称形状の再現に慣れているか
見るべきポイント:
→ 社内に設計者が在籍しているか/外注か
基準④:加工設備と技術の幅
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モデリングはできても「加工できない」会社も多い
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切削/放電/研削など、対象部品に合った設備があるか?
・ポイント:
→ 再製作までワンストップ対応か?
→ 材料調達からメッキ処理まで可能か?
基準⑤:材質分析の対応力
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材料名が分からない場合、蛍光X線・硬度測定などで同等材提案が可能か?
・注意点:
→ 材質分析は外注だと時間と費用がかさむため、内製か確認
基準⑥:品質保証と再現精度
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製作した部品の精度保証(±0.01mmなど)ができるか?
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検査成績書・寸法表などの納品があるか?
確認する項目:
→ 過去の再現精度データや検査機器リスト
基準⑦:納期と柔軟な対応力
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リードタイムは短すぎても怪しい
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小ロット(1個から)の対応実績があるか
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途中変更や追加工に柔軟に応じてくれるか
・ポイント:
→ 最初の問い合わせ時の対応が丁寧かどうかも重要な判断基準
【3. ありがちな失敗例】
※失敗1:「3Dスキャン屋に頼んだけど、加工できなかった」
→ CADデータはもらえたが、加工業者探しで再度手間が…
※失敗2:「納期優先で頼んだら寸法が合わず機械に組めなかった」
→ 再加工費が追加発生、結局高コストに
※失敗3:「安さで選んだらトラブル時の対応が雑」
→ コミュニケーションや保証体制が重要
【4. こんな工場なら安心】
・測定→CAD→加工→検査まで自社内一貫対応
・図面レス案件の実績が豊富
・担当者がリバースエンジニアリングの知見を持っている
・「どう再現するか」まで一緒に考えてくれるパートナー型
■補足:
「こういう部品、できますか?」と写真1枚からでも対応してくれる会社は頼りになります。
【5. まとめ:技術より“姿勢”を見る】
リバースエンジニアリング対応工場を探す際、もちろん技術力や設備も重要です。
ですが、実際に数多くの企業を見てきた経験から言えば、
「どう対応してくれるか」「どこまで寄り添ってくれるか」
この“姿勢”が最も大切です。
【行動喚起】
「図面がない部品をどこに頼むか分からない」方へ
→ まずはメールかお電話でご相談ください。
写真1枚でも対応可能です。測定〜加工〜納品まで一括サポート。