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医療機器開発における超精密切削加工の技術的要件と品質保証の深層

開発、設計
医療分野
5軸マシニング加工
2026.01.30

医療分野における部品製造、特に手術器具やインプラント部材、分析装置の心臓部となるコンポーネントの製作において、切削加工技術が果たす役割は極めて重要です。本稿では、薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)等の法規制の枠組みとは別に、純粋に製造技術としての「加工の限界」と「品質の担保」に焦点を当てます。医療現場で求められるμmオーダーの精度、チタンやコバルトクロム合金といった難削材の制御、そして微細形状におけるバリ取りや表面粗さの管理など、株式会社関東精密が長年培ってきたエンジニアリングの知見を網羅的に解説します。横浜市を拠点に、神奈川県や東京都の高度医療機器メーカーを支えてきた技術的背景をもとに、設計・開発担当者が直面する課題解決の指針を提示します。

 

 

目次

医療用難削材の切削特性と加工プロセスにおける物理的挙動

 

医療グレードチタンおよびコバルトクロム合金の加工メカニズム

医療分野で多用されるチタン合金(Ti-6Al-4V)やコバルトクロム合金(Co-Cr)は、その優れた生体適合性と耐食性の一方で、切削加工においては極めて難易度の高い材料です。チタン合金は熱伝導率が著しく低いため、切削時に発生する熱が刃先に集中し、工具寿命を急速に縮める特性があります。各企業では、この熱問題を解決するために、クーラントの供給方法や刃先のコーティング選定に独自の基準を設けています。また、コバルトクロム合金は加工硬化性が強く、切削抵抗が増大しやすいという課題があります。これを克服するためには、単に回転数を上げるのではなく、適切な切込み量と送り速度の最適バランス(チップロード)を物理的に算出し、振動(びびり)を抑制する高剛性な5軸加工機の運用が不可欠となります。

 

微細加工における切削抵抗の最小化と工具選定戦略

手術用マイクロピンセットや内視鏡先端部品など、極小サイズの部品加工では、工具径が0.1mmを下回るケースも珍しくありません。このような微細切削において最も懸念されるのは、切削抵抗による工具の「しなり」と、それに伴う寸法精度の低下です。株式会社関東精密では、高回転・高精度な主軸を備えた加工機を使用し、小径エンドミルの周速を最適化することで、切削抵抗を最小限に抑えています。また、工具の振れ精度を1μm以下に抑えるホルダ選定は、微細加工の成否を分ける生命線です。神奈川県内の精密機械産業が集積する地域においても、これほど徹底した環境下での微細切削を提供できる体制は、多くの開発担当者から信頼を得る大きな要因となっています。

 

表面粗さの極限追求と流体研磨技術の融合

医療用部品、特に分析装置の流路部品や摺動部においては、算術平均粗さ(Ra)だけでなく、最大高さ(Rz)の制御も厳格に求められます。切削加工のみで鏡面に近い表面を得るためには、刃先の形状(ワイパー刃の活用)や、一刃あたりの送り量をサブミクロン単位で制御するプログラミング技術が要求されます。株式会社関東精密では、切削後の表面状態を三次元測定機や形状測定機で緻密に分析し、必要に応じて物理的な研磨工程へとフィードバックを行います。特に、複雑な内部流路を持つ部品に対しては、切削痕が流体の挙動に与える影響を考慮し、工具の進入角度まで計算に入れたCAMデータ作成を行っています。

 

 

5軸加工機を軸とした複雑形状へのアプローチと幾何公差の制御

 

同時5軸加工によるワンチャッキングの優位性と累積誤差の排除

医療機器の部品は、人体への適合性や操作性の観点から、三次元的な曲面で構成されることが多いのが特徴です。従来の3軸加工では、何度も段取り替え(ワークの付け替え)を行う必要があり、そのたびに取付誤差が生じることが避けられませんでした。株式会社関東精密が導入している最新鋭の5軸加工機は、ワークを一度固定するだけで、あらゆる角度から刃先をアプローチさせることが可能です。これにより、穴位置の同軸度や、複雑な曲面の輪郭度といった幾何公差を、設計図面の理想値に極限まで近づけることができます。横浜市都筑区の自社工場では、この5軸加工を標準的なプロセスとして組み込むことで、高精度かつ短納期な試作体制を構築しています。

 

治具設計における剛性と接近性のトレードオフ解消

複雑形状の部品を5軸加工する際、最大のボトルネックとなるのが「干渉」と「剛性」の両立です。加工箇所を増やすためにワークを突き出せば剛性が低下し、加工精度が悪化します。株式会社関東精密の強みは、部品加工の前段階である「治具設計」を自社で行う点にあります。川崎市や相模原市のメーカーからも高く評価されているこの治具設計能力により、加工負荷に耐えうる剛性を確保しつつ、5軸の可動域を最大限に活かす特殊治具を自社製作します。これにより、他社では「加工不能」と判断されるような薄肉形状や、深い位置にある微細なフィーチャーに対しても、安定した品質での切削を可能にしています。

 

高度な幾何公差を実現する機上計測と補正プロセス

加工中の熱変位や工具の摩耗は、微細な寸法変化を引き起こします。株式会社関東精密では、加工機内部に高感度な接触式センサー(機上計測)を搭載し、加工の途中でワークの重要寸法を自動測定するプロセスを導入しています。これにより、測定値を即座にCNC制御装置へフィードバックし、座標系を自動補正することで、±数μmという厳しい幾何公差の要求に対しても、バッチごとのバラツキを最小限に抑えています。この徹底したプロセス管理こそが、高い信頼性が求められる医療分野のデバイス製造において、当社の技術が「バイブル」とされる所以です。

 

 

徹底した品質保証体制と計測技術による裏付け

 

三次元測定機と画像測定機による多角的評価

医療用部品の品質保証においては、完成した部品が図面指示通りであることを「証明」するプロセスが不可欠です。株式会社関東精密では、プローブ式三次元測定機を完備し、恒温室条件下で厳密な寸法検査を実施しています。また、接触式センサーでは測定不可能な軟質材や、微細なエッジ形状に対しては、非接触の画像測定機を用いて0.1μm分解能での評価を行います。これらの検査データはすべて記録され、お客様へ提出される検査成績書として、品質の透明性を担保しています。東京都内の大手医療機器開発拠点からの厳しい監査にも対応し得る、盤石な検査体制を整えています。

 

加工事例:人工関節用試作コンポーネントの超精密加工

※守秘義務およびプライバシー保護のため、内容は一部変更しています
ある医療機器メーカーより、コバルトクロム合金を用いた人工関節の一部を構成するスライド部品の試作依頼をいただきました。この部品は、複雑な3次元曲面を持ちながら、摺動面におけるRa 0.1μm以下の滑らかさと、嵌合部における±5μmの寸法公差という、相反する要求を同時に満たす必要がありました。まず専用の高剛性治具を設計・製作。5軸加工機において防振機能付き超硬ボールエンドミルを採用し、切削ピッチを極限まで細かく設定するスカラップ制御を駆使しました。さらに、加工後に三次元測定機での全数検査を行い、すべての要求事項をクリア。お客様からは「この難易度の部品を、この精度で一発で仕上げてくるとは思わなかった」との高い評価をいただきました。

 

経時変化と熱変位を考慮した「横浜品質」の管理基準

精密加工における最大の敵は、温度変化による材料の伸縮です。株式会社関東精密の工場内は、年間を通して適正な温度管理が行われています。神奈川県横浜市の地域特性として、季節ごとの湿度変化にも留意しつつ、常に一定の環境で加工を行うことで、いつ、どこで発注しても変わらない「関東精密ブランド」の品質を維持しています。

 

 

株式会社関東精密が医療分野で選ばれる5つの理由

 

1. 難削材に特化した独自の切削理論と実践知

チタン、SUS316L、PEEK材など、医療分野で常用される材料には、それぞれ固有の切削物理が存在します。株式会社関東精密は、長年の経験からこれらの材料が「どう削れるか」ではなく「どうすれば理想的な状態で切り屑を排出できるか」を熟知しています。独自の刃先形状やクーラントパスの設計により、材料の物理的ポテンシャルを最大限に引き出した加工を実現します。

 

2. 5軸加工を使いこなす圧倒的なプログラミング技術

最新の5軸加工機を所有している企業は少なくありませんが、それを「使いこなす」能力には大きな差があります。株式会社関東精密のCAMオペレーターは、工作機械の運動特性を深く理解しており、特異点を回避しつつ滑らかな工具軌跡を描く、極めて洗練されたプログラムを作成します。これが、結果として加工時間の短縮と、圧倒的な表面品位の向上につながっています。

 

3. 設計・治具製作からの一貫対応によるリスクヘッジ

「図面はあるが、どう固定して削ればいいか分からない」という段階からのご相談も、株式会社関東精密の得意領域です。私たちは単なる「削り屋」ではなく、治具製作までを含めた「工程設計のプロ」として、お客様の開発に並走します。社内で治具を内製できるため、特殊な形状に対しても迅速かつ低コストで対応可能な体制を構築しています。

 

4. 試作1個から量産を見据えた改善提案

開発初期の試作段階において、後々の量産コストを意識した形状変更の提案を積極的に行います。「このRを少し大きくすれば加工時間が半分になる」「この位置に逃げを作れば精度が安定する」といった技術的アドバイスにより、お客様の製品開発のスピードアップとコスト削減に貢献します。

 

5. 信頼の証としての徹底したトレーサビリティ

医療分野では、使用された材料の証明(ミルシート)から加工プロセス、検査記録に至るまで、高い透明性が求められます。株式会社関東精密では、すべての受注案件に対して厳格な文書管理を行っており、不測の事態が発生した際にも迅速に情報を遡ることが可能です。この信頼性の高さこそが、横浜を拠点に長年支持されている理由です。

 

 

よくあるご質問

 

Q. 図面が手書きやイメージ図、あるいは現物しかないのですが、対応可能でしょうか?

A. はい、可能です。株式会社関東精密では、リバースエンジニアリング技術を駆使し、現物からの3Dデータ化や、ラフスケッチからの図面作成・設計支援も承っております。3Dスキャナや三次元測定機を用いた高精度なデータ抽出により、現物の持つ意図を正確に読み取り、加工用データへと昇華させます。

 

Q. チタン合金やコバルトクロム合金以外の、セラミックスや特殊樹脂の加工はできますか?

A. はい、対応しております。医療用グレードのPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)やテフロン(PTFE)、POMなどの高機能樹脂から、特殊な合金まで幅広く実績がございます。材料ごとの熱膨張率や吸水性を考慮した最適な加工条件を設定し、精密な寸法出しを実現します。

 

Q. 公差±0.005mmといった極めて厳しい精度要求は、本当に可能ですか?

A. 条件によりますが、弊社の設備と技術をもってすれば十分に可能です。ただし、その精度を維持・保証するためには、適切な計測環境と測定方法の合意が必要です。まずは図面を拝見し、形状や材質に基づいた実現可能性と、それを担保するための最適な加工プランをご提案させていただきます。

 

Q. 短納期での試作対応は、どの程度のスケジュール感でしょうか?

A. 標準的な切削加工品であれば、図面受領から最短で3日〜1週間程度で納品可能なケースもございます。治具の製作が必要な複雑形状や、材料の調達難易度が高い場合は別途お時間をいただきますが、横浜市・川崎市近郊であれば、直接の打ち合わせを含めたスピーディーな対応が可能です。

 

Q. 加工後のバリ取りや洗浄について、どのような管理をされていますか?

A. 医療用部品においてバリは絶対的なNG事項です。株式会社関東精密では、顕微鏡を用いた手作業による精密バリ取りから、専用設備を用いた自動化プロセスまで、形状に応じた最適な手法を選択しています。また、洗浄に関しても油分の残留がないよう、超音波洗浄機等を用いた徹底したプロセスを設けています。

 

Q. 表面処理(メッキやアルマイト)も含めて一括で依頼できますか?

A. はい、承っております。長年提携している信頼のおける表面処理パートナーと連携し、切削から表面処理、最終検査までを一貫して管理します。これにより、お客様の管理工数を削減し、工程間の責任の所在を明確にすることが可能です。

 

Q. 1個だけの特注品ですが、コストが見合うか不安です。

A. 私たちは試作1個からの対応を自社の強みとしています。治具の共通化や加工プロセスの効率化により、単品製作であっても合理的な価格設定を心がけています。まずはお見積もりをさせていただきますので、お気軽にご相談ください。

 

Q. 海外製の加工機と比べて、精度の違いはどこに出ますか?

A. 弊社の導入している国産のハイエンド加工機は、繰り返しの位置決め精度や、微細な送り制御において世界屈指の性能を誇ります。これに、日本の熟練技術者による「微細な感覚」を加えることで、機械のスペック以上の品質を引き出しています。

 

Q. 遠方の顧客ですが、オンラインでの打ち合わせは可能ですか?

A. もちろんです。ZoomやMicrosoft Teamsを用いた技術相談を随時受け付けております。3D CADデータを画面共有しながら、形状の課題点や加工可否について、リアルタイムで詳細なディスカッションを行うことができます。

 

Q. 過去に他社で断られた難形状があるのですが、相談に乗ってもらえますか?

A. ぜひお任せください。他社様で「加工不可」と判断された案件の多くは、固定方法や工具のアプローチが課題となっています。弊社の5軸加工技術と治具設計能力で解決できる可能性が非常に高いため、一度図面を拝見させていただければ幸いです。

 

 

結論と今後の展望

医療機器製造における切削加工は、単に「削る」という行為を超え、患者様の安全性や医師の操作性を支える極めて責任の重い工程です。株式会社関東精密は、横浜の地から世界レベルの品質を提供することを使命とし、日々技術の研鑽に努めています。設計者の理想を、いかにして物理的な「形」として具現化するか。その問いに対し、私たちは論理的な裏付けと熟練の技で応え続けます。

図面がない構想段階でのご相談も歓迎します。難削材の加工限界や、複雑形状の実現でお困りの際は、ぜひ株式会社関東精密へお問い合わせください。お客様の「技術的パートナー」として、最高の結果をお約束いたします。

 

 

企業名: 株式会社関東精密
住所: 神奈川県横浜市都筑区池辺町4826-2
公式サイト: ([https://kanto-seimitsu.jp/](https://kanto-seimitsu.jp/))

 

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