医療機器製造の現場力を高める「規制対象外」治工具の設計と超精密加工戦略|品質と効率を両立する技術バイブル
医療機器業界において、製品そのものの開発と同様に、あるいはそれ以上に製造プロセスの品質を左右するのが、製造現場で使用される「治具(Jig)」や「工具(Tool)」、そして「補助具」の存在です。
これらは直接的に患者の体内に触れるものではなく、薬機法(旧薬事法)の厳格なクラス分類や承認申請の直接対象とはならないケースが大半です。しかし、カテーテルの組立、光学センサーの調整、微細部品の搬送、あるいは滅菌工程での固定など、その役割は極めて重要であり、これら治工具の精度や品質が最終製品(医療機器)の歩留まりや安全性に直結します。
本記事では、医療分野の周辺領域で求められる「薬機法対象外だが医療グレードが要求される治工具」に焦点を当て、その材料選定、設計思想、そしてミクロンオーダーの加工技術について、製造業のプロフェッショナルに向けて徹底解説します。横浜市・川崎市をはじめとする京浜工業地帯で培われた、株式会社関東精密の技術知見に基づき、製造現場の課題解決に向けた具体的な指針を提示します。
目次
- 1 第1章 医療製造現場における「薬機法対象外」治工具の定義と重要性
- 2 第2章 材料選定の科学:耐薬品性・滅菌対応・クリーン度
- 3 第3章 5軸加工と複合加工機による形状実現と精度保証
- 4 第4章 【事例紹介】現場の課題を解決した治具製作の実録(Experience)
- 5 第5章 表面処理と仕上げ:機能性を左右する最終工程
- 6 第6章 株式会社関東精密が選ばれる5つの技術的理由
- 7 第7章 コストと納期の最適化戦略
- 8 第8章 よくあるご質問(Q&A)
- 9
- 9.1 Q. クリーンルームで使用するため、油分を完全に除去して納品してほしいです。
- 9.2 Q. 医療グレードの材料証明書(ミルシート)は発行できますか?
- 9.3 Q. PEEK材などの高価な樹脂材料は、支給材での加工も可能ですか?
- 9.4 Q. 5軸加工が必要かどうかわからないのですが、相談に乗ってもらえますか?
- 9.5 Q. 納期はどのくらいかかりますか?
- 9.6 Q. 試作後の量産時に、コストダウンの提案はしてもらえますか?
- 9.7 Q. 遠方(関東以外)からの依頼ですが、対応可能ですか?
- 9.8 Q. 秘密保持契約(NDA)の締結は可能ですか?
- 9.9 Q. 溶接構造の治具で、歪みを抑えたいのですが。
- 10 信頼できる技術パートナーとして
第1章 医療製造現場における「薬機法対象外」治工具の定義と重要性
1-1 「規制対象外」でも許されない妥協
医療機器製造において「薬機法の対象外」であるということは、法的規制を受けないという意味ではありますが、「品質管理が不要」という意味では決してありません。むしろ、ISO13485(医療機器産業の品質マネジメントシステム)に準拠した製造環境下では、治工具にもトレーサビリティや清浄度、高い寸法安定性が求められます。
例えば、血管内治療用カテーテルの組立治具に微細なバリがあれば、カテーテル表面を傷つけ、医療事故につながるリスクがあります。また、洗浄バスケットの溶接部に隙間があれば、そこに菌が残留し、滅菌不全を引き起こす可能性があります。つまり、**「規制対象外の治工具」こそが、規制対象である医療機器の品質防壁(Quality Firewall)**となっているのです。
1-2 代表的な治工具の種類と役割
医療関連の製造現場で使用される治工具は多岐にわたりますが、主に以下のカテゴリーに分類されます。
1. 組立用治具(Assembly Jigs)
・ 微細部品の位置決め、接着時の固定、圧入補助など。
・ 要求事項:高い位置決め精度、作業者のバラツキを排除する再現性、接着剤の非固着性。
2. 検査用治具(Inspection Fixtures)
・ 寸法測定時のワーク固定、通電検査用プローブ保持、画像処理検査のバックライト透過台など。
・ 要求事項:測定器以上の精度、繰り返し着脱に対する耐久性、低反射・高コントラスト(画像検査用)。
3. 搬送・洗浄用トレイ/バスケット
・ 工程間搬送、洗浄機・滅菌機(オートクレーブ等)への投入用。
・ 要求事項:耐薬品性、耐熱性、水切れの良さ、部品同士の接触防止(打痕防止)。
4. 実験・研究開発用治具
・ 生体模倣実験(シミュレーション)用の流路モデル、引張試験用チャックなど。
・ 要求事項:生体適合性材料の使用(実験内容による)、透明性(可視化用)、特殊形状への対応。
1-3 現場が直面する技術的課題
これらの治工具を内製、あるいは一般的な加工業者へ発注する際に、多くの技術者が以下の課題に直面しています。
・異物混入(コンタミネーション)のリスク: 治具からの発塵、摩耗粉、錆などがクリーンルームを汚染する。
・材料選定の難しさ: 滅菌(EOG、ガンマ線、高圧蒸気)に耐え、かつ加工性が良い材料がわからない。
・微細加工の限界: 製品の小型化に伴い、治具にも (マイクロメートル)オーダーの精度が求められるが、対応できる加工先が少ない。
・形状の複雑化: 3Dプリンタで試作したものの、精度や強度が不足し、切削加工に切り替えたいが形状が複雑すぎて断られる。
これらの課題を解決するためには、単なる「図面通りの加工」ではなく、使用環境や目的を理解した上での「工学的アプローチ」が必要です。
第2章 材料選定の科学:耐薬品性・滅菌対応・クリーン度
医療分野の治工具製作において、最初の、そして最も重要なステップが「材料選定」です。コストだけで材料を選べば、錆の発生や変形により、治具としての機能を瞬時に失うことになります。
2-1 ステンレス鋼(Stainless Steel):信頼のスタンダード
医療用治具で最も多用されるのがステンレス鋼ですが、鋼種ごとの特性を理解して使い分ける必要があります。
| 鋼種 | 特性 | 医療治具での主な用途 | 注意点 |
| SUS303 | 快削ステンレス。硫黄(S)を含み被削性が良い。 | 負荷の低い一般治具、試作パーツ。 | 耐食性はSUS304より劣る。錆びやすいため洗浄工程には不向き。 |
| SUS304 | オーステナイト系。耐食性と強度のバランスが良い。 | 一般的な組立治具、搬送トレイ、筐体。 | 加工硬化しやすく、微細深穴加工には技術が必要。 |
| SUS316/316L | モリブデン(Mo)添加により耐食性を強化。Lは低炭素で粒界腐食に強い。 | 薬品を使用する工程、洗浄・滅菌バスケット、腐食環境下。 | 被削性が悪く、加工コストが上がる。刃持ちが悪い。 |
| SUS420J2 | マルテンサイト系。焼入れにより高硬度化が可能。 | 耐摩耗性が必要な位置決めピン、カッター刃。 | 耐食性はオーステナイト系に劣る。使用後の防錆管理が必要。 |
| SUS630 | 析出硬化系。高強度と高耐食性を両立。 | 高負荷がかかるプレス治具、カシメ治具。 | 熱処理が必要。加工難易度が高い。 |
技術ポイント:不動態皮膜の管理
ステンレスの耐食性は表面の不動態皮膜(酸化クロム)に依存します。切削加工直後はこの皮膜が不安定なため、医療用治具の場合は加工後に「不動態化処理(パシベート)」を行うことが推奨されます。これにより、クリーンルーム内での発錆リスクを極限まで低減できます。
2-2 エンジニアリングプラスチック:軽量・絶縁・非固着
金属との接触を避けたい場合や、軽量化、絶縁性が必要な場合に選択されます。
【PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)】
・特性: スーパーエンプラの代表格。連続使用温度250℃、優れた耐薬品性、耐加水分解性(蒸気滅菌OK)。
・用途: 耐熱・耐薬品性が求められる治具、カテーテル先端の成形型。
・加工性: 樹脂の中では硬く、バリが出にくいが、高価であるため歩留まり管理が重要。
【POM(ポリアセタール / ジュラコン)】
・特性: 機械的強度、寸法安定性、摺動性に優れる。安価。
・用途: 常温環境下の組立治具、パレット、ガイドレール。
・注意: 酸に弱く、一部の薬品で劣化する。オートクレーブには不向き。
【PTFE(ポリテトラフルオロエチレン / テフロン)】
・特性・: 最高の耐薬品性と非粘着性。耐熱性も高い。
・用途: 接着工程の受け治具(接着剤がつかない)、薬液タンクのパッキン。
・加工性: 非常に柔らかく、寸法が出にくい。バリ処理が難しく、極低温での加工や鋭利な刃物が必要。
【Ultem(ウルテム / PEI)】
・特性: 半透明(琥珀色)、高強度、耐熱性、難燃性。
・用途: 内部視認性が必要な実験治具、耐熱コネクタ部品。
2-3 チタン合金(Titanium Alloy):究極の耐食性と生体親和性
【Ti-6Al-4V(64チタン)】
・ 比強度が高く、磁性を帯びない(MRI環境下での使用が可能)。
・ 極めて難削材であり、熱伝導率が低いため工具先端に熱がこもりやすい。適切なクーラント管理と切削条件の最適化が必須。
第3章 5軸加工と複合加工機による形状実現と精度保証
医療用治具は、対象となる医療機器製品の形状に合わせて設計されるため、近年急激に形状が複雑化しています。従来の3軸マシニングセンタでは「段取り替え(ワークの積み替え)」が頻発し、精度の低下やコスト増を招いていました。これを解決するのが、株式会社関東精密が得意とする「5軸加工」および「複合加工」技術です。
3-1 同時5軸加工によるワンチャッキングの優位性
5軸加工機は、X・Y・Zの直線軸に加え、回転軸(A・BまたはC軸)を持ちます。これにより、底面を除く5面を一度のチャッキング(固定)で加工可能です。
・幾何公差の追求: 段取り替えを行わないため、面と面の直角度、同軸度、位置度などの幾何公差が飛躍的に向上します。医療用センサーの治具など、相対位置精度が機能に直結する場合に必須の技術です。
・アンダーカット加工: 工具を傾けることで、3軸加工では届かない「ひさしの下」のようなアンダーカット形状も加工可能。これにより、分割構造だった治具を一体化でき、剛性アップと組立誤差の排除を実現します。
・工具寿命の延長と面粗度の向上: ボールエンドミルによる曲面加工において、工具の接触点を周速ゼロの先端中心からずらすことで、切削効率の良い部分を使用でき、美しい仕上げ面が得られます。
3-2 微細精密加工の核心技術
カテーテルや内視鏡部品用の治具では、直径0.1mm以下の穴加工や、幅0.05mmの溝加工が要求されることも珍しくありません。
・高精度スピンドル: 毎分40,000回転以上の高速回転でも熱変位や振動を抑制するスピンドルが必要。
・小径深穴加工(Deep Micro Drilling): ドリル径の10倍~50倍の深さを加工する場合、切りくずの排出が最大の課題です。ステップ送り(ペッキング)の微調整、高圧クーラントの活用、そしてドリルの振れを1ミクロン以内に抑える段取り技術が求められます。
・温度管理: の室温変化で金属は膨張・収縮し、ミクロン単位の精度に影響します。恒温室での加工と測定は、超精密加工の最低条件です。
3-3 複雑形状の「リバースエンジニアリング」と治具化
「現物の医療機器部品はあるが、図面がない。これにぴったり合う固定治具を作りたい」という要望も増えています。
3Dスキャナや非接触測定機を用いて対象物の形状をデジタルデータ化し、その曲面に完全にフィットする治具(ネスト)をCAD上で設計。その後、5軸加工機で削り出すことで、対象物を傷つけず、ガタつきなく固定できる専用治具を製作します。
第4章 【事例紹介】現場の課題を解決した治具製作の実録(Experience)
ここでは、実際に手掛けた、医療関連分野(薬機法対象外)における治具製作の事例を紹介します。
※守秘義務およびプライバシー保護のため、内容は一部変更しています。
事例1:カテーテルセンサー組立用・微細樹脂治具
・課題:
大手医療機器メーカー様より、次世代カテーテルに内蔵する極小センサーの組立治具の依頼。
ワークサイズは米粒以下。材質はセンサーへの磁気影響を避けるため樹脂(PEEK)指定。
最も困難だったのは、センサーをセットする溝の幅公差が という厳しさであり、かつ樹脂特有の「バリ」を一切許容しない(顕微鏡検査でNG判定)という点でした。
・解決策とプロセス:
1. 工具選定: 樹脂専用の単結晶ダイヤモンド工具を採用。刃先の鋭利さを維持し、切削抵抗を極限まで下げることで、むしれやバリの発生を抑制。
2. 加工戦略: PEEK材は加工熱で膨張しやすいため、荒加工後に一度冷却期間を置き、残留応力を開放してから仕上げ加工を行う「二段階加工」を実施。
3. バリ取り: 機械加工だけでは取り切れない微細なバリに対し、熟練技術者によるマイクロスコープ下での精密手仕上げを実施。
結果:
公差内での納品を達成し、組立ラインでのセンサー歩留まりが従来の85%から99%へ向上。安定した生産体制の構築に貢献しました。
事例2:光学検査装置用・多面拘束パレット
・課題:
医療用レンズの検査工程で使用する搬送パレット。
材質はSUS316L。多数個取り(1枚のパレットに50個のレンズをセット)仕様だが、パレット全体の平面度が悪く、検査機の焦点距離が合わないトラブルが発生していた。他社製では平面度0.05mmが限界で、目標は0.01mm以内。
・解決策とプロセス:
1. 歪み対策: SUS316Lは加工硬化しやすく、加工後に大きな歪みが発生しやすい材料です。材料入荷時点で適切な熱処理(応力除去焼き鈍し)を施した素材を使用。
2. 両面研削: マシニング加工の前に、高精度平面研削盤で基準面を極限までフラットに仕上げ。
3. 吸着固定: 通常のクランプ(万力)で挟むと、その圧力で材料がたわんでしまいます。これを防ぐため、バキュームチャック(真空吸着)を用いて、材料に負荷をかけずに固定して加工を実施。
・結果:
平面度0.008mmを達成。検査装置のエラーが解消され、検査工程のスピードアップ(スループット向上)が実現しました。
事例3:分析試薬充填ライン用・搬送ノズルベース
課題:
血液分析装置の試薬を充填するラインで使用する、複雑な流路を持つノズルベース。
材質はアルミ(A7075)。従来は3つの部品をボルトで組み合わせていたが、継ぎ目からの液漏れや洗浄残りが懸念されていた。一体化したいが、内部流路が複雑で加工不可とされていた。
・解決策とプロセス:
1. 設計変更提案(VA/VE): 内部流路をストレートなドリル加工で通せるように設計変更を提案し、外部から不要な穴を埋めるプラグ溶接方式を採用することで、擬似的な一体化構造を考案。
2. 5軸加工: 外形状の複雑な切り欠きや斜め穴を、5軸加工機でワンチャッキング加工。
3. 特殊アルマイト: 耐薬品性を高めるための硬質アルマイト処理に加え、流路内部への処理液残りを防ぐ特殊洗浄工程を追加。
結果:
液漏れリスクがゼロになり、メンテナンス(分解洗浄)の手間が激減。部品点数削減によりトータルコストもダウンしました。
第5章 表面処理と仕上げ:機能性を左右する最終工程
医療分野の治工具では、「形ができれば終わり」ではありません。表面の状態(Surface Integrity)が機能に直結します。
5-1 電解研磨(Electropolishing: EP)
電気化学的に表面を溶解させ、微細な凸凹を平滑化する処理です。
・メリット: 表面積が最小化されるため、汚れや菌が付着しにくくなる。耐食性が飛躍的に向上する(クロムリッチな表面形成)。
・適用: ステンレス製のタンク、配管、洗浄カゴなどに必須の処理。
5-2 ビーズブラストと梨地処理
微細なガラスビーズなどを投射し、表面を梨地状にします。
・メリット: 光の反射を抑える(画像検査治具に有効)。傷が目立ちにくくなる。滑り止め効果。
・注意: 表面積が増えるため、洗浄性はEPに劣ります。用途に応じた使い分けが必要です。
5-3 レイデント処理・黒染め
・レイデント: 薄膜の防錆皮膜。寸法変化が少なく(数ミクロン)、精度部品の防錆に適しています。
・黒染め: 簡易的な防錆と光の反射防止。医療用光学機器の内部治具などで使用されます。
5-4 バリ取り(Deburring)の哲学
医療分野において「バリ」は異物(コンタミネーション)の発生源であり、作業者の怪我の原因ともなる「悪」です。
関東精密では、機械的なバリ取り(ブラシ、バレル)に加え、最終的には人の目と手による官能検査を通過したものだけを出荷します。特に、ねじ山の入り口、交差穴の内部など、見えにくい箇所のバリ取りにこそ、品質への執念が宿ります。
第6章 株式会社関東精密が選ばれる5つの技術的理由
神奈川県横浜市を拠点に、日本のものづくりを支える私たち株式会社関東精密が、なぜ多くの医療機器メーカー様や研究機関から「技術パートナー」として選ばれているのか。その理由は、単なる設備力だけではありません。
理由1:恒温室完備によるミクロン精度の保証
金属は生き物のように温度で動きます。私たちは加工工場と検査室の温度を24時間体制で管理。温度変化による熱変位を排除し、図面通りの寸法精度を一年中安定して供給できる環境を整えています。「夏場は精度が出ない」といった言い訳は一切いたしません。
理由2:難削材・新素材への飽くなき挑戦
チタン、インコネル、ハステロイ、そして最新のエンジニアリングプラスチック。他社が敬遠するような難削材の加工こそ、私たちの得意分野です。蓄積された切削条件のデータベースと、最新の工具情報のアップデートにより、未知の材料でも最短ルートで最適解を導き出します。
理由3:設計段階からのVA/VE提案力
「この形状、もう少しこうすれば安く作れるのに」「この材質に変えれば耐久性が上がるのに」。
私たちは、いただいた図面をただそのまま作るだけの受動的な加工屋ではありません。設計者の意図を汲み取り、加工のプロとしての視点から、コストダウン(VA)や価値向上(VE)につながる提案を積極的に行います。
理由4:試作1個から量産治具まで柔軟な生産体制
開発段階のワンオフ(1個製作)から、ライン展開時の数十~数百個のロット生産まで、柔軟に対応します。試作で得た加工ノウハウを量産時にフィードバックすることで、スムーズな立ち上げを支援します。
理由5:最新鋭の検査機器による品質エビデンス
CNC三次元測定機、画像寸法測定器、形状測定機など、最新の計測機器を導入。お客様の要求に応じて、詳細な検査成績書を添付します。「作って終わり」ではなく、「数値を保証して納品する」ことが私たちの品質基準です。
第7章 コストと納期の最適化戦略
高品質な医療用治具を、適正なコストと納期で調達するためのポイントを公開します。
7-1 過剰品質を見直す(公差設計)
全ての寸法に の公差を入れると、コストは跳ね上がります。「勘合する重要な箇所」と「逃げなどの重要でない箇所」を明確に分け、メリハリのある公差設計をすることで、機能はそのままで大幅なコストダウンが可能です。ご相談いただければ、加工難易度に基づいた公差緩和の提案も可能です。
7-2 標準工具に合わせたR設計
ポケット加工の四隅のR(コーナーR)は、使用するエンドミルの半径で決まります。設計上のRが小さすぎると、極細のエンドミルを使用する必要があり、加工時間が延びます。可能な限り大きなR、あるいは標準的な工具径(R0.5, R1.0, R3.0など)に設定することで、加工費を抑制できます。
7-3 表面処理の統合
複数の部品をまとめて表面処理に出すことで、一式あたりの処理費用を抑えることができます。計画的な発注により、トータルコストを削減できます。
第8章 よくあるご質問(Q&A)
現場のご担当者様から頻繁にいただくご質問をまとめました。
Q. 図面がなく、手書きのスケッチや現物しかないのですが、製作可能ですか?
A. はい、可能です。スケッチからのCAD図面化、あるいは現物の採寸・3Dスキャンによるリバースエンジニアリングから対応いたします。構想段階からご相談ください。
Q. クリーンルームで使用するため、油分を完全に除去して納品してほしいです。
A. 対応可能です。通常の脱脂洗浄に加え、精密洗浄、真空梱包など、ご指定の清浄度レベルに合わせた出荷形態に対応します。
Q. 医療グレードの材料証明書(ミルシート)は発行できますか?
A. はい、使用する全ての材料について、材料メーカー発行のミルシート(検査証明書)を提出可能です。トレーサビリティ管理も万全です。
Q. PEEK材などの高価な樹脂材料は、支給材での加工も可能ですか?
A. はい、材料支給(御社からの支給)での加工も承っております。もちろん、弊社での材料調達も可能ですので、コストメリットのある方をお選びください。
Q. 5軸加工が必要かどうかわからないのですが、相談に乗ってもらえますか?
A. もちろんです。形状を拝見し、3軸で加工可能か、5軸の方がメリットがあるかを判断いたします。無理に高価な加工方法を勧めることはありません。
Q. 納期はどのくらいかかりますか?
A. 通常、加工内容によりますが、実働2週間程度を標準としています。特急対応が必要な場合は、機械の空き状況を確認し、可能な限り調整いたしますのでご相談ください。
Q. 試作後の量産時に、コストダウンの提案はしてもらえますか?
A. はい。試作時の加工データを分析し、「ここをこう変更すれば量産効率が上がる」といった具体的なコストダウン提案をさせていただきます。
Q. 遠方(関東以外)からの依頼ですが、対応可能ですか?
A. 全国対応可能です。メール、Web会議システム(Zoom等)を用いた打ち合わせで、対面と変わらない細やかなサポートを行います。
Q. 秘密保持契約(NDA)の締結は可能ですか?
A. はい、開発段階の案件も多いため、NDAの締結を前提としたお取引が一般的です。お客様の知的財産を厳守いたします。
Q. 溶接構造の治具で、歪みを抑えたいのですが。
A. 溶接治具の設計から、溶接後の機械加工仕上げまで一貫して対応することで、高い幾何公差を保証します。溶接レスの削り出し構造への変更提案も可能です。
信頼できる技術パートナーとして
医療分野における治工具は、決して目立つ存在ではありません。しかし、その一つひとつに込められた技術と精度が、最終的には医療現場の安全性、ひいては患者様のQOL(生活の質)向上に繋がっていると私たちは信じています。
薬機法対象外の領域であっても、そこに求められるのは「医療級」の誠実さと技術力です。
難削材の加工、複雑形状の実現、そしてミクロンオーダーの精度保証。
もし、現在の治具や加工パートナーに課題を感じているなら、あるいは新しいアイデアを形にするための確かな技術を探しているなら、ぜひ一度ご相談ください。
横浜の地で磨き上げた技術と、お客様の課題に寄り添う提案力で、理想の治具・部品を実現します。
【図面がない構想段階でのご相談も歓迎します。】
【加工工程がわからず限界でお困りの際は、ぜひ株式会社関東精密へお問い合わせください。】












