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業界によって“求めるNC旋盤加工”は違う
「同じNC旋盤加工といっても、業界が違えば要求も違う」
この現実を知らずに協力工場を選んでしまうと、品質トラブルや量産の失敗につながる可能性があります。
例えば、
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自動車業界なら…ミクロン単位の精度と量産安定性
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医療業界なら…クリーンルーム対応やバリなし仕上げ
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食品業界なら…衛生性・表面処理・異物混入対策
この記事では、業界ごとの実際の加工要求・失敗例・成功例を紹介しながら、適切なNC旋盤工場を選ぶための視点を解説します。
自動車部品業界:量産×高精度×検査対応
現場の要件:
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寸法公差:±0.005mmレベル
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年間数千~数万個のロット生産
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PPAP(生産部品承認プロセス)やFMEAへの対応
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ロット管理/検査証明/サンプル提出必須
失敗例:
ある企業が、ローカルなNC旋盤工場に試作を発注。試作精度は良好だったが、量産に耐える生産体制が整っておらず、納期遅延と品質バラつきで失注。
成功事例:
別の企業では、ISO9001取得+工程内検査設備完備の工場を選定。3D測定レポート付き納品により、社内検査フローを大幅に簡素化。トヨタ系サプライヤーへの納入実績がある工場だったため、取引承認もスムーズだった。
医療機器業界:微細加工×無バリ×清潔性がカギ
現場の要件:
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材質:SUS316L、チタン、樹脂(PEEKなど)
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加工精度だけでなく、表面粗さRa0.8以下なども要求
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無バリ加工、超音波洗浄後のクリーン梱包
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トレーサビリティ(加工履歴管理)
よくある勘違い:
「精度が出ていれば良い」というのは大間違い。医療分野では“バリ1本の混入”でクレーム確定。切削時のバリ処理や洗浄工程を内製化しているかが重要です。
成功事例:
精密機器部品メーカーA社は、NC旋盤加工後に電解バリ取り+洗浄+真空パック納品が可能な工場に外注。クリーンな出荷体制を整えることで、医療機器メーカーとの年間契約に成功。
食品機械業界:衛生管理×メンテナンス性
現場の要件:
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材質:SUS304/SUS316(耐腐食性)
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溶接部や削り出し部の溶け残り・異物混入の抑制
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洗浄性を考慮した丸みやR処理
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接液部の表面処理(電解研磨・バフ研磨など)
よくある課題:
「図面通りには作ったが、洗浄しにくい形状だった」
→これでは現場で分解洗浄やCIP時にトラブルが起こり得ます。
成功事例:
食品製造装置メーカーB社は、加工前に“現場での使い方・洗浄方法”まで打ち合わせ。現場目線でのR加工や脱着構造を考慮して設計フィードバックを実施。結果的に顧客からのメンテナンス性の評価が高まり、リピート受注に繋がった。
比較表:業界別に見るNC旋盤加工の着眼点
項目 | 自動車部品 | 医療機器 | 食品機械 |
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精度要求 | ±0.005mm | ±0.01mm+表面粗さ | ±0.05mm程度 |
材質 | S45C, SCM, SUS | SUS316L, チタン, PEEK | SUS304, SUS316 |
特徴 | 量産・ロット管理 | クリーン対応・無バリ | 衛生・表面処理重視 |
検査 | 測定器+証明書 | クリーンチェック付き | バリ/仕上げの目視含む |
工場選定のカギ | ISO取得・量産体制 | 洗浄工程/履歴管理 | 衛生設計・材料証明書対応 |
どの業界でも重要なのは「事前共有と相互理解」
単に「図面を渡して終わり」ではなく、業界特有のリスクや運用方法を工場側に伝えることが、失敗しないための鍵です。
そのためには…
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「業界名」だけでなく「製品用途」まで伝える
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「求める品質水準」と「NGな点」も共有する
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工場見学や実際の加工実例の確認を行う
最後に:当社では業界別の対応経験が豊富です
当社では、これまでに
・自動車部品(シャフト・カム・ハウジング)
・医療機器(整形外科用金属部品・器具)
・食品機械(接液部のネジ・軸受・ケース)
など、多業界にわたるNC旋盤加工の経験があります。
業界ごとの“見るべきポイント”を熟知しているからこそ、「図面には書いていないリスク」にも気づき、設計段階から提案が可能です。