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平面研削加工の基礎:原理・特徴と多様な用途を解説
平面研削加工
2025.05.14
平面研削加工は、部品の表面を平滑かつ高精度に仕上げるための代表的な研削方法の一つです。回転する砥石(といし)を使用し、工作物の表面を微量ずつ削り取ることで、高い平面度、平行度、そして優れた表面粗さを実現します。この技術は、精密機械部品、金型部品、工具、電子部品など、寸法精度や仕上げ品質が厳しく要求される多くの産業分野で不可欠なものとなっています。
平面研削加工の基本原理
平面研削加工の基本的な原理は、高速で回転する円盤状またはカップ状の砥石を、テーブルに固定された工作物の表面に接触させ、砥石の無数の微細な砥粒(とりゅう:硬い粒子)によって工作物表面を削り取ることです。工作物をテーブル上で往復運動または回転運動させながら、砥石を徐々に切り込ませることで、平面全体を均一に加工していきます。このプロセスにより、フライス加工などの切削加工後に残る微細な凹凸やうねりを除去し、極めて平滑な面を創成します。
平面研削加工の主な特徴
- ・高精度な仕上がり: ミクロン単位(µm)での寸法制御が可能で、非常に高い平面度や平行度を実現できます。
- ・優れた表面粗さ: 加工後の表面は滑らかで、光沢のある仕上がり(鏡面に近い状態)を得ることも可能です。これにより、部品の摺動性向上やシール性向上に貢献します。
- ・硬質材料の加工が可能: 焼入れ鋼や超硬合金、セラミックスといった、切削加工では難しい硬質材料の精密加工に適しています。
- ・薄物ワークの厚みだし: 薄い板材(シムプレートなど)の厚みを均一に、かつ高精度に仕上げることができます。
多様な用途例:
平面研削加工は、その高い加工精度と仕上げ品質から、以下のような幅広い用途で活用されています。
- ・機械部品: エンジン部品のブロック面、摺動案内面、ゲージブロック、精密機械のベースプレートなど。
- ・金型部品: プラスチック射出成形金型やプレス金型のパーティング面、コア・キャビティの基準面など、高い平面度と面粗さが求められる部分。
- ・工具類: 切削工具(バイト、エンドミルなど)の逃げ面、測定工具の基準面など。
- ・電子部品: 半導体製造装置の部品、水晶振動子の基板、各種センサー部品など、微細かつ高精度な平面が要求される部品。
- ・その他: ガラス、セラミックス、フェライトなどの非金属材料の平面仕上げ。
平面研削加工は、部品の最終仕上げ工程として、その機能性や信頼性を大きく左右する重要な役割を担っています。加工原理と特徴を理解することは、適切な加工方法の選定や、品質の高い部品調達に繋がる第一歩と言えるでしょう。